故郷での同窓会から…

お盆で里帰りをして、故郷では中学校の同窓会がありました。中学生の時に暮らした町ではただひとつの中学校。いまから思い出すと、懐かしさのあまりにはしゃぎ過ぎたかなと、少し恥ずかしくなります。中学校のころにおとなしかった自分は、話した友達もそん…

台地に住む人たち盆地に住む人たち(甲州街道を歩く11)

前日の晩はつよい雨が降ったようで路面は濡れていました。わたしはといえばそれに気が付かないほどぐっすり寝ていたようです。泊まったさきの甲府のビジネスホテルには、小学生の団体が大勢でとまっています。そういえば夏休みが始まったことにいまさら気が…

崖の上と崖の下(甲州街道を歩く10)

甲州街道の歩く道中ですが、前回は甲府まで歩きました。甲府の街は、まんなかに甲府城が鎮座していて、政治経済からなにからなにまで山梨の中心です。駅前に鎮座する武田信玄の銅像からは、どこか町全体がいかめしい印象を受けます。武田氏を滅ぼしたあとの…

エキセントリックの表出(山田詠美さんの恋愛小説)

柄にもなく、ときどきは恋愛小説をむしょうに読みたくなるときがあって、その時に読むのは、山田詠美さんの諸作だったりします。短編も長編作品もたくさん書かれた山田さんの恋愛小説に、さて共通するモチーフってなにかあったっけ?などと考えてみると、恋…

そういえば選挙だった

都内だと、すでに都議会の選挙が始まっています。自営の旧い工場や商店とかが立ち並んでいる職場の近くにはポスターが掲げられています。いつもであれば、掲げられているポスターのだいたいは、自民党一択なのですが、今回は少し様子が違っていて、貼られて…

ラジオ体操をしながらの妄想

やっかいな梅雨がやってくるまでの季節は、新緑がきらきらとしたここちよい季節で、すこし早起きをしてご近所の公園に行けば、だいたい6時半ころにラジオ体操をしています。多くの体操をする人たちは、もう仕事はリタイヤしたんだろうななと思う年配の人たち…

ぶどう棚の道(甲州街道を歩く9)

甲州街道の歩きは、前回は勝沼まででした。それから1か月が空いてまごまごしているうちに、春は過ぎて初夏になっています。1か月ぶりにおりた勝沼ぶどう郷駅におりると、あたりの風景は、4月よりも濃い緑色に変わりました。甲州街道の勝沼宿から勝沼ぶどう…

関東平野の河川交通と蒸気船

中世の関東平野を推定した地図を眺めると、おおきな河川がいくつも関東平野を縦断していることに気がつきます。茨城県東部の湖沼は、太平洋と繋がっていて、まるで太平洋の内海であるかのようです。その往時の光景は現在の姿からはかけ離れていて、そこでは…

社会が見えなくなる(橋本治「たとえ世界が終っても〜」)

ー 橋本治さんの新刊「たとえ世界が終っても〜」を読み終えたところです。難病を抱えてるという橋本さんの体調もあるのでしょうか、最近の近刊には老いを感じてしまうところもあるのですが、それでもところどころに、鋭い指摘があります。 書の後半を占める…

少し怖くなる道(甲州街道を歩く8)

1月に雪が積もる甲州街道をあるいた後、さすがに笹子峠越えは冬の間は無理だと思って、雪の解けるのを待っていました。4月になれば、たぶん雪も解けているでしょうか、甲州街道の歩きを再開です。この数日の天気予報では、ずっと雨の予報のまま。雨の中を…

(気恥ずかしいけれど)愛の二重奏(カーラブレイとスティーブスワロー)

「愛の二重奏」などといえば、なんとも気恥ずかしい言葉なのですが、たまたま、YOUTUBEで眺めた、カーラブレイとスティーブスワローのデュエットの動画をみて、その気恥ずかしい言葉がとてもぴったりの演奏のように感じたのです。Carla Bley & Steve Swallow…

かんばん方式も回せない

今週のニュースでは、ヤマト運輸が増大するネット通販の需要に運び手が追いつかず、運賃の値上げやサービスの縮小を行う。というニュースが流れていました。これを日本式のかんばん方式の終わりの始まりととらえている方もいて、なるほどなと思ったのでした…

壁を壊す。壁を作る(NHKBS「ヨーロッパ鉄道の旅」)

関口知宏さんが、世界中の鉄道に乗りながら紹介する番組「BSヨーロッパ鉄道の旅」が好きでよく眺めます。http://www.nhk.or.jp/bs/sekiguchi-tabi/ のですが、前回の放送は、イギリス各地をめぐっていました。いわゆる旅番組の範疇に入るこの番組が、ことさ…

平治物語を読む(軍記物のおもしろさ2)

軍記物の続き、前回に保元物語に続いて読んだのは平治物語。平治の乱を取り上げてたはずが、源頼朝の賛美にトーンが変わってしまう摩訶不思議な展開となっています。 その頼朝賛美をのぞけば、この物語の主題は源義朝の悲哀です。保元の乱では勝利したものの…

保元物語を読む(軍記物のおもしろさ1)

あまり読まれることもなく、かたすみに鎮座しているのが、図書館の中での、古典文学の扱いではないでしょうか。そんななかにある「新日本古典文学大系」という全集ものを読んでは、古文の魅力にはまってしまう。たかだか100年そこらしかない言文一致体に…

治天の君の欲望が争いのもと(橋本治「双調平家物語ノート〜権力の日本人」を読む3)

平安時代に権力のまんなかに居たのは、やっぱり王朝や摂関家です。さらにそのまんなかに居たのは治天の君、すなわち後白河法皇 であって、たかだか平氏の権力や源平の争いというのは、添え物なんです。それまで、摂関家がとり仕切る官僚機構にコントロールさ…

だんだん寒くなる道(甲州街道を歩く7)

昨年の秋から始めた甲州街道歩きですが、小仏の峠をこえて山梨県に入り、野田尻宿に到達していました。ひな壇のような谷間の集落をぬう相模湖からの道中は、上野原からは段丘上に広がる集落ののぼりながら通る道に変わりました。それは、マチュピチュにでも…

戦を知らない者たちの戦〜保元の乱(橋本治「双調平家物語ノート〜権力の日本人」を読む2)

平安時代の初期に薬子の変が起きてから、保元の乱がおきるまで、都の王朝のなかに死刑はありませんでした。王朝に直属する常備軍というものも存在しなかった。武士の中には朝廷に仕え官職を持つ者はいるけれど、あくまで警察官という肩書きです。都を離れた…

摂関家の走狗(橋本治「双調平家物語ノート〜権力の日本人」を読む(その1))

前回の記事でとりあげた、大澤真幸さんの「日本史のなぞ」で、橋本治さん「双調平家物語ノート」に言及がありました。読んでみたいところですがなかなか入手しづらい本のようです。そんなとき役立つのはやっぱり図書館で、探しては借りて読んだところです。…

自覚されない革命(大澤真幸「日本史のなぞ」朝日新書)

日本史上に革命はあった。という人もいれば、革命はなかったという人もいます。革命がなかったという人によれば、庶民が立ち上がった抵抗運動が時の権力者を滅ぼした、なんてことは歴史上になかったと述べ、革命があったという人にとっては、たとえば明治維…

マチュピチュではないけれど(甲州街道を歩く5)

スタートした相模湖駅の周辺は、かつての与瀬宿にあたる場所のようです。が、あまり特徴のある建物もないあたりは、パッと見は何の変哲もない駅前の風景です。それよりは、宿場を抜けて近くに見えてきた相模湖の眺めがとても印象に残ります。なにしろ、この…

いまさら、はじめて聴くジョニミッチェル

朝のFMラジオ。ピーターヴァラカンさんの、「ウィークエンドサンシャイン」という番組でたまたま流された、BLACK CROWという曲を良いなと思い。そこから、ジョニミッチェルのいくつかの曲を、YOUTUBEで見たり、彼女の旧譜を買い求めたりして聞くようになりま…

明るい山の道(甲州街道を歩く4)

前回までの歩きは、西八王子駅あたりまでを歩きました。今回は甲州街道で初めての峠越えになります。先々週に歩いたときは、いちょうの葉が黄金色に輝いていましたが、すでに葉っぱは落ちかけています。 少し歩くと、多摩御陵への入り口が現れます。この多摩…

街を抜ける(甲州街道を歩く3)

今回の歩きは、府中の大国魂神社がスタートです。七五三の家族連れでいっぱいの神社はとても賑やかです。日本橋新宿と今まで歩いて、甲州街道で今の町並みから昔の宿場の名残を感じ取れるのは、府中が初めてです。それくらい今の甲州街道からは昔の名残を残…

北関東民のさえないソウル(絲山秋子「薄情」)

群馬、栃木、茨城、いわゆる北関東とよばれる3県は、テレビ番組のうえでは魅力のない県とされています。都道府県の魅力ランキングでは常に下位をさまよっているし、そんなありさまに自虐的ですらある。そんな場所でくらす男女は快活さからは程遠い。わたし…

台地の上を通る(甲州街道を歩く2)

今回の行程は、京王線の芦花公園駅からの歩きです。私鉄の駅につづく商店街と生活道路のコンビは、生活するには気楽そうですが、よそものにはあまり変哲のない街で、面白味のないところです。 ところどころに通り過ぎる川はコンクリートだし、あたりはケヤキ…

なんの変哲のない道(甲州街道を歩く1)

中山道をゴールしてしばらくたつと、田舎の道が恋しくなって、街道歩きを再開することにしました。今度は甲州街道で、甲府まわりで下諏訪までの道を歩きます。日本橋から新宿までの道は、散歩のようにして歩いてしまったので省略。実質の歩き始めは新宿から…

タレント政治あるいは政治タレントたち

目立ちたいがための強い言葉は、たんに相手を傷つけるだけでなく、自分自身が言葉の虜となり自分を蝕むのだと、長谷川豊さんのブログ騒ぎを、前々回の記事で取り上げました。その後、長谷川さんに対する謝罪署名を集めた女性が、実際に長谷川さんに会ったと…

ヘイトするくらいならみんなで踊ろう(サムルノリの音楽について)

今年は、高麗郡が創られてから1300年の記念の年なのだそうです。700年代、平城京の都のころに、国が滅んだ高句麗から1700人もの人たちがこの地にやってきたとされています。その記念の年に、高麗神社ではサムルノリという韓国の音楽家たちのグル…

自己陶酔の言葉(過激な言葉の麻薬性)

テレビを見ていると、女優の杉田かおるさんが出演していました。それは自分の失敗経験を取り上げるというつくりの番組でした。テレビをしかもバラエティー番組など見ることは珍しいのですが杉田さんのコーナーはたまたまみてしまったのです。彼女は失敗の多…

知る由もない(内心の自由について)

もう半月もまえのことですが、民進党の党首選のときに、どこからともなく蓮舫さんの二重国籍疑惑が問題とされました。反リベラルというお題なら、なんにでも口を挟むおなじみの論者たちが、やかましく騒ぎ立てるのはもちろんですが、そのとき勇ましく騒いだ…

意外とおもしろい「さいたまトリエンナーレ」

昨日から「さいたまトリエンナーレ」という、現代美術のイベントが始まりました。議会では、これは単なる税金の無駄遣いではないか?なんて疑問のあるようですが、既存の施設を利用して行われるイベントに、それほど過剰さはなくて、一市民としてはとりあえ…

川の流れのような道(中山道を巡る3)

宿のご主人は、私が街道歩きをしていることがわかると、いろいろな話をしてくれました。とりわけ大津祭の話になると熱く語っていたのが印象的でした。山車の車輪を修理するのは、非常にお金がかかるということ、高齢化で自治会に14件しかないので、自治会…

生活の匂いのする道(中山道を巡る2)

昨日は熱中症気味だったようで、倒れるように宿に駆け込みました。せっかくなので、泊まった近江八幡の街を出がけに歩きました。宿をでて駅とは反対方向にあるくと、その旧くからの町並みが残るエリアにたどり着きます。この近江八幡は、かって安土城の城下…

きれいな水を眺める道(中山道を巡る1)

中山道を歩くのも今回で終わり。武佐から京都までの歩きです。山の中なら日差しがきつくても木陰にあたれば涼しく感じますし、水の流れが近くにあればたとえ暑くても心理的に涼しく感じることができますが、遮るものがない平野部での道のりは、けっこうきつ…

デジタルディバイド(情報格差)の新たな形態

かつて、デジタルディバイド(情報格差)という言葉が存在しました。それは、インターネットやパソコンを持つ人々と持たざる人々の間で、得られる情報に格差が起きる状況のことを意味していたと思います。パソコンを持つ人は、インターネットを利用できる環…

文明化の一過程としての神仏習合(義江彰夫「神仏習合」岩波新書)

以前に安丸良夫さんの「神々の明治維新」を取り上げましたが、そこでの論点は、明治維新というより王政復古の号令にあわせて発生した、廃仏希釈と神仏の分離運動が非常に政治的な運動であったことを述べました。では、それ以前は神仏習合と呼ばれた神仏の境…

中世を感じる道(鎌倉切り通しの道を巡る)

かつての東京湾沿いが、どのような姿だったかよくわかるのが、京急線のあたり横浜から三浦半島にかけてのあたりです。車窓を眺めれば、ところどころに浮島のような丘が点在して、その間に白っぽい住宅が連なっています。白っぽい住宅のあたりを、かつての東…

今週起きたあの事件と世間の反応が私を憂鬱にさせる

今週になってからのラジオニュースは、もっぱら相模原の19人の殺人事件についての解説ばかりです。事件の起きた障がい者施設でかつて働いていた犯人は、当初は普通に勤務していたそうですが、いつのころからか、突然殺人や差別言動を公言するようになった…

選挙のあと変だなあと思うこと

参議院選挙が終わりました。三分のニを与党が占めたといわれるけれど、実態はやっと数を合わせたに過ぎなくて、与党が圧倒的に勝利したとも言いがたいように思うのですが、報道の伝えかたはそうではないようです。憲法といっても、100を越える条文のなか…

室町時代の可能性(清水克行「喧嘩両成敗の誕生」)

テレビを見ていて一番不快になる番組といえば、イジリ芸と呼ばれるものです。イジる側がつねにベテラン芸人、反対にイジられる側は若手芸人、双方の間に決定的に立場の強弱があるので、若手芸人のほうはイジりに対してキレることができない。バラエティに名…

人間が真ん中でない3(絵画とヒューマニズム)

出光美術館の50周年展示も、三回目の最後の展示に入りました。今回では取り上げられる絵は、江戸時代の作品が中心です。江戸時代といえば、浮世絵の展示が取り上げられそうですが、ここでは、歌麿も北斎もそれぞれ一点ずつという控えめな展示。もっとも展…

人間が真ん中でない2(水墨画のこと)

出光美術館の開館50周年の特集展示はとても力の入ったものです。3回に分けられたテーマのうち、前回1回目の展示では、涅槃図とか来迎図とか、あの世とこの世が混然一体となった、中世の世界観が印象に残ったのです。今回のテーマの中心は水墨図で、内外の…

地域のヒエラルキー(井上章一「京都きらい」)

47都道府県の序列は、最近ではよく、テレビのバラエティー番組のネタになります。関東なら、北関東3県がとりわけ揶揄される対象だし、少し前なら、そのポジションには埼玉県が位置づけられていたと思います。関東の一都六県は、一番は東京都、二番は神奈…

ゆたかな湖国(中山道を巡る(その3)

琵琶湖をバックに控えた彦根というところは、意外に涼しいところのようです。テレビの天気予報に現れる彦根の最高気温も、他の近畿の町に比べて数度低い。空気感も岐阜とはまるで違います。近江鉄道に乗り、再び高宮駅へと向かいます。近江鉄道の放送テープ…

おいしい水(中山道を巡る(その2)

泊まった大垣の町は、大きな祭りの準備でおおわらわでした。宿にはこれから祭りの屋台で働こうとする家族も泊まっています。家族総出で準備をして、大人も小さい子供も揃って働くのですね。町にはすでに山車が町に出ていて、それぞれの山車は意匠をこらして…

東と西が戦う場所(中山道を巡る(その1))

中山道を歩く旅は、美濃赤坂宿まで到達。まもなく岐阜県を通過します。歩いてわかるのは、本当にこの県は東国と西国が入り混じる場所なんだなと感じます。東西の戦いで最も有名なのは関ヶ原の戦いですが、今日はその関ヶ原を通ります。 赤坂宿から垂井宿に向…

ゾンビにならない(安冨歩「マイケルジャクソンの思想」)

つい、一週間ほど前にプリンスが亡くなりました。追悼のコメントをいろいろな方が出していて、総体としては、いわゆる「音楽通」の方々ほど、彼の死にインパクトを受けています。彼の音楽が一般的にもてはやされたのは80年代、マイケルジャクソンと比較さ…

大魔神と革命の物語

ゴールデンウィークを前に、WOWOWでは、大魔神3部作の連続放送があって、思わずみてしまいました。もっとも、これでもかと庶民が痛めつけられる大魔神が登場するまでの導入部のシーンは飛ばし飛ばしですが… いためつけられる庶民は、思いを魔神(のよ…

廃仏棄釈の恐怖(安丸良夫「神々の明治維新」岩波新書)

国家神道が太平洋戦争の敗戦とGHQの処分によって、戦後になくなったわけではなく現代も生きている。しかも現代ではその存在が見えなくなっている。という島園進さんの問題系について、以前の記事で述べました。毎日のように、政治どころか芸能ネタまでも…