大切だが重いことを考える道(北関東の諸街道11)

前回は、芦野宿まで奥州街道を歩きました。奥州街道の北上は白河までにしようと決めているので、今回の歩きのひとまずのゴールでもあるのです。新幹線を使わないと決めれば那須への公共交通の足はとてもたよりない状態で、いったん宇都宮で前泊することにし…

黙々と歩く道(北関東の諸街道10)

大田原宿までたどり着いたのはひと月まえのことでした。やっと春がやってきて、咲きだした花を楽しみながらの道中でした。すでにあたりは新緑の季節になっていて、まだ若い淡い緑色が日を浴びて透き通っています。宇都宮からの電車はこの日もゴルフへ向かう…

自由の当事者(4月14日 国会前へ)

2015年8月30日の国会前行動は、参加した人にとって、いまでも思い出されるくらいの出来事で、わたしもその時のことを記事にしました。 8月30日 国会前へ - tochgin1029のブログその時に繰り広げられた「安保法制反対」というスローガンは、打ち砕かれたけれ…

花がいっぱいの道(北関東の諸街道9)

2月に喜連川まで歩いてからというもの、花粉症もちの私にとって、3月はスギ花粉が怖い季節。歩くのを自重していたところなのですが、だんだんと暖かくなれば、虫が久しぶりに歩きたくなり、久しぶりの街道歩きです。なんだか地中にこもっていた虫たちが地…

鬼怒川を渡る(北関東の諸街道8)

前回の歩きでは日光から宇都宮まで到達しました。かつての例幣使はここから江戸に向かったのですが、ここから日本橋までの道のりは単調な道のように想像ができます。まっすぐ日本橋には向かわずに、一旦は白河を目指す奥州街道の道を選びました。 前回の宇都…

戸惑いの赤(大田記念美術館「明治維新150年幕末・明治―激動する浮世絵」展)

原宿にある大田記念美術館では現在、幕末から明治にかけての浮世絵を展示していて見に行きました。北斎や広重や国芳といった大家の作品はないけれど、幕末と明治初期に描かれた作品群を眺めていると「ご一新」のかけ声と共にやってきた明治の時代を、絵師た…

自分の心と身体2(再読「宗教なんか怖くない」橋本治)

宗教なんかこわくない! (ちくま文庫) 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1999/08 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 10回 この商品を含むブログ (39件) を見る 橋本治さんの「宗教なんか怖くない」は、オウム真理教のサリン事件について書か…

終わらない杉並木(北関東の諸街道7)

東照宮までを歩き終わりました。かつての例幣使たちは参拝のあとで、江戸に向かっています。どこか日光には終着点というイメージは薄くて、ここで終えるには半端な感じがします。まずはここから宇都宮まで向かうことにします。再び降りたJR日光駅は訪日観…

徳川の道(北関東の諸街道6)

例幣使街道の歩きも、今市まで到着すればあと少しというところ。今回はJR日光線を使っての移動です。車中には日光線各駅の高度が記された路線図が掲げられています。始発の宇都宮では標高は100m台ですが、日光駅だと高度は500mを超えるのですから…

どこまでも杉!杉!杉!(北関東の諸街道5)

前回の歩きから3週間、再び楡木駅へ向かう東武線の車窓には濃淡さまざま赤や黄色、緑色が入り混じった里山の景色が見え、心の底からきれいだと思いました。車中の高校生たちはもっぱらスマホいじりに夢中で、景色など興味なしといった姿ですが、自分の高校…

左手は日光の山(北関東の諸街道4)

例幣使街道の道中は、必ずといってよいほど左手の山々を眺めながらの道中でした。けれども、富田宿を過ぎたころ、左手の山はだんだんと低くなり遠ざかっていきます。この左手の山々が途切れるところが、両毛とよばれる地域の境を示しているように思いました…

左手はなだらかな山(北関東の諸街道3)

前回の歩きでは八木宿についたのは真っ暗な夕方のころで、あたりの風景もよくわかりませんでした。福居駅に再び降りた後で、かつての宿場跡はどうなっているのやらと探しました。八木宿の本陣跡というのは、現在は八木節会館となっている敷地の手前に発見し…

江戸を目指さない道(北関東の諸街道2)

例幣使街道は、年に一回、京都からの使者が日光東照宮に向かうために通る道です。両毛地域とよばれるこの辺りは、かつては東山道が通っていた地域であれば、もしかすると、往時の使者もかつての王朝の栄華を懐かしみながらかつての東山道の道をたどったのだ…

海外の風景を眺める眼差し(東山魁夷の絵画について)

http://www.momat.go.jp/am/exhibition/permanent20170912/ なにもすることのない週末。ひまつぶしとばかりに入った国立近代美術館で展示されていた、東山魁夷の作品を眺めました。名前だけは知っていても、この人の作品を取り立ててながめたことはありませ…

かすかに西国を感じる道(北関東の諸街道1)

甲州街道を歩き通し、泊りがけのいささか遠出の旅が続いていて、少し気軽に訪れるような場所を歩きたくなりました。探してみると、北関東の周辺部にはまだ歩いていない旧街道がぽつぽつと残っています。今度はそれらの旧街道を歩くことにしました。北関東だ…

コロニー(植民地)とは?(北海道 松前と勝山館を訪れて)

北海道の南部、松前から上ノ国、江差にかけての渡島半島のあたりは、地名からもわかるとおり、早くから和人が定住しだした場所と言われています。網野善彦さんの数々の著作では、上ノ国町にある「勝山舘跡」の巨大さについて言及されていて、いつか行きたい…

湖畔の小世界(甲州街道を歩く12)

「諏訪」と称する地域はどこからなのか?富士見町を歩いているあたりでは、高原の雰囲気が濃厚で、地域のシンボルは「八ヶ岳」でしたが、茅野市内に来たとたん、公共のポスターや役所の貼り紙には「諏訪」という文字が多くなります。この地域が「諏訪」と称…

標高900mの道(甲州街道を歩く11)

甲州街道を歩くのも山梨県を過ぎて長野県に到達しました。甲州街道の歩きは、進めば進むほどに標高がだらだらと上がっていくのが特徴です。出発地の日本橋はほぼ海の近くで標高0mなら、ゴールの下諏訪の標高が700m台です。中山道の和田峠のような極端…

故郷での同窓会から…

お盆で里帰りをして、故郷では中学校の同窓会がありました。中学生の時に暮らした町ではただひとつの中学校。いまから思い出すと、懐かしさのあまりにはしゃぎ過ぎたかなと、少し恥ずかしくなります。中学校のころにおとなしかった自分は、話した友達もそん…

台地に住む人たち盆地に住む人たち(甲州街道を歩く11)

前日の晩はつよい雨が降ったようで路面は濡れていました。わたしはといえばそれに気が付かないほどぐっすり寝ていたようです。泊まったさきの甲府のビジネスホテルには、小学生の団体が大勢でとまっています。そういえば夏休みが始まったことにいまさら気が…

崖の上と崖の下(甲州街道を歩く10)

甲州街道の歩く道中ですが、前回は甲府まで歩きました。甲府の街は、まんなかに甲府城が鎮座していて、政治経済からなにからなにまで山梨の中心です。駅前に鎮座する武田信玄の銅像からは、どこか町全体がいかめしい印象を受けます。武田氏を滅ぼしたあとの…

エキセントリックの表出(山田詠美さんの恋愛小説)

柄にもなく、ときどきは恋愛小説をむしょうに読みたくなるときがあって、その時に読むのは、山田詠美さんの諸作だったりします。短編も長編作品もたくさん書かれた山田さんの恋愛小説に、さて共通するモチーフってなにかあったっけ?などと考えてみると、恋…

そういえば選挙だった

都内だと、すでに都議会の選挙が始まっています。自営の旧い工場や商店とかが立ち並んでいる職場の近くにはポスターが掲げられています。いつもであれば、掲げられているポスターのだいたいは、自民党一択なのですが、今回は少し様子が違っていて、貼られて…

ラジオ体操をしながらの妄想

やっかいな梅雨がやってくるまでの季節は、新緑がきらきらとしたここちよい季節で、すこし早起きをしてご近所の公園に行けば、だいたい6時半ころにラジオ体操をしています。多くの体操をする人たちは、もう仕事はリタイヤしたんだろうななと思う年配の人たち…

ぶどう棚の道(甲州街道を歩く9)

甲州街道の歩きは、前回は勝沼まででした。それから1か月が空いてまごまごしているうちに、春は過ぎて初夏になっています。1か月ぶりにおりた勝沼ぶどう郷駅におりると、あたりの風景は、4月よりも濃い緑色に変わりました。甲州街道の勝沼宿から勝沼ぶどう…

関東平野の河川交通と蒸気船

中世の関東平野を推定した地図を眺めると、おおきな河川がいくつも関東平野を縦断していることに気がつきます。茨城県東部の湖沼は、太平洋と繋がっていて、まるで太平洋の内海であるかのようです。その往時の光景は現在の姿からはかけ離れていて、そこでは…

社会が見えなくなる(橋本治「たとえ世界が終っても〜」)

ー 橋本治さんの新刊「たとえ世界が終っても〜」を読み終えたところです。難病を抱えてるという橋本さんの体調もあるのでしょうか、最近の近刊には老いを感じてしまうところもあるのですが、それでもところどころに、鋭い指摘があります。 書の後半を占める…

少し怖くなる道(甲州街道を歩く8)

1月に雪が積もる甲州街道をあるいた後、さすがに笹子峠越えは冬の間は無理だと思って、雪の解けるのを待っていました。4月になれば、たぶん雪も解けているでしょうか、甲州街道の歩きを再開です。この数日の天気予報では、ずっと雨の予報のまま。雨の中を…

(気恥ずかしいけれど)愛の二重奏(カーラブレイとスティーブスワロー)

「愛の二重奏」などといえば、なんとも気恥ずかしい言葉なのですが、たまたま、YOUTUBEで眺めた、カーラブレイとスティーブスワローのデュエットの動画をみて、その気恥ずかしい言葉がとてもぴったりの演奏のように感じたのです。Carla Bley & Steve Swallow…

かんばん方式も回せない

今週のニュースでは、ヤマト運輸が増大するネット通販の需要に運び手が追いつかず、運賃の値上げやサービスの縮小を行う。というニュースが流れていました。これを日本式のかんばん方式の終わりの始まりととらえている方もいて、なるほどなと思ったのでした…