タガメ女とカエル男のがんじがらめの関係

深尾葉子さん「日本の男を食い尽くすタガメ女の正体」の続編「日本の社会を埋め尽くすカエル男の正体」を早速買って読みました。前作は、女性に関する記述が多いので、なるほどと思いながら、男は被害者なのだと思っていました。今回も、1~20までのチェック項目があって、私の場合は4つしかあてはまらなくて、下世話にも胸をなでおろしたのですが、それでもギクリとする記述はあります。
 前作では、被害者としてのカエル男が強調されていましたが、カエル男は単なる犠牲者ではないですね、箍をはめられることで逆に依存してしまう。依存することで相手を支配してしまう加害者の側面もある。互いが互いを支配し支配される関係、がんじがらめの関係におちいる。二冊読んで初めてわかりました。深尾さんの真意は、そこにあったのだと気がつきました。
 一週間前、さる男性の書いたブログが女性から大きな非難をうけて炎上しているのを見ました。彼の家庭は共働
きらしく、二人ではっきりと家事分担を決めているようです。そのなか、日々の家事と育児に疲れた妻がぶち切れたのだけれど、妻の矛先が自分にあるのだとは気がつかない彼は、たんなる分担の問題だと片づけ、「妻にもぶち切れる権利がある・・・」などとつぶやいたのが、上から目線だと反発を受けた。私にも思い当たる節があるので、これは他人事ではありません。もちろんどうしたらよいかなんて未だにわかりません。
ただ思うのは、このがんじがらめの約束ごとの連鎖は、この家庭の日々の生活を、息苦しくしていたことが想像できます。
 だんなはイクメンして、家事も手伝ってくれる。でも、日々の家事育児はちっとも楽になっていない。と嘆く、働く女性の方は実は多いのだと思います。それは結局のところ、カエル男の依存する構造はそのまま「俺はこんなに育児に協力しているんだ」とアリバイをかけるような手伝い方は、かえって女性を苦しめているのではないか。
 深尾葉子さんの上記の二冊、タガメ女とカエル男は、やはり2冊とも読まれること、特にタガメ女に反発を感じた女性の方にこそ、読まれることをおすすめします。