「もうひとつのアメリカ史」を見て3

年末に、撮っておいた「もうひとつのアメリカ史」連続10回は長い。やっと 見終わったです。ふう。

オリバーストーン監督は、あえて「たられば」という問いかけを見る人に問うています。もし、冷戦終結後に、アメリカ側がゴルバチョフの問いかけに真摯に答えていたら?2000年に大統領に勝ったのが、ブッシュでなくゴアであったなら911は起きなかったのでは?とか。

アメリカ史では、副大統領であったことから、大統領の椅子が転がり込んだ人物がいます。トルーマンにジョンソンに父ブッシュとか…で、勇気もなく本当は凡庸な人物である彼らが、権力をかさに虚勢を張った時、悲劇のタネが蒔かれているだと語っています。

例えば湾岸戦争なら、冷戦終結後のアメリカにとって差し迫った危機はなかったはずなのに、ブッシュ政権は、さらなる利権を求めていたずらに緊張を煽った。結果、ブッシュ政権が終わった後も、90年代~アメリカ社会が右傾化した。さらに子ブッシュ政権が終わった後のオバマ政権も、国防に関しては子ブッシュ政権からの留任組が多い。政策のほとんどは引き継がれていると。

録画を見ながら、最近の日本社会で起きている「右傾化」というのは、この番組で語られた、かつてアメリカで起きた現象をそのままなぞっているかのようで恐ろしいことだと思いました。古の日本社会の権力のあり方は、基本的小中華主義でしたが、いつのまにかアメリカ型に切り替わっているのですね。これもまた恐ろしいことです。