屏風絵を眺めるのは楽しい。

昨日は、千葉県の佐倉という所にある、国立歴史民俗博物館というところに行きました。展示物の中では惹かれたのは洛中洛外図屏風をはじめとした屏風絵。複製画ではあっても、十分に楽しめますね。

近代化を通り抜けた私たちの感覚では、遠くのものは小さく。近くのものは大きく描くといった遠近法が当たり前ですが、洛中洛外図屏風をはじめとした屏風絵のあり方は、全く、それとは違う。その具合を実感しました。

遠くから眺めると図の全体 には、江戸城とか内裏は確かに真ん中に描かれていますが、それらがことさら強調されているわけではない。

反対に、周辺部は近代の絵画では小さく、大雑把に書かれるものですが、ここでは、真ん中の絵と同じように細かく描かれていることは代わりがない。だから、全体をみるのも楽しいし、周辺を眺める のも楽しい。この感覚は、あまり近現代の絵画では味わえないものですね。

これら屏風絵を描いた古の人たちは、近代をくぐり抜けた私たちの空間把握とは異なるし、そのあり方は私たちにはわからない。でも、その一端をのぞかせて貰ったような気分ですね。