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上野の森美術館「ボストン美術館浮世絵名品展」を見た

 上野の森美術館で行われている、ボストン美術館所蔵の葛飾北斎展を見に行きました。最近の大手メディアが後援している美術展で気になるのは、人があまりにも多いこと。土日は込むだろうと避けたのですが、平日にも関わらず多くの人・・・行政の支援が薄くなるなかで、どの美術館の企画展も、最近は入場客をたくさん集めることに注力しているのでしょうが、静かに絵を楽しむ環境とは言いがたいですね。以前江戸東京博物館で行われた「大浮世絵展」では、同じようにたくさんの客がいましたが、窮屈さは感じなかった。やっぱり会場の狭さから感じるものなのでしょう。

 で、肝心の作品ですが、北斎という画家は、やっぱり構図のおもしろさを追求した絵師であったのだなと改めて実感しました。この展覧会の数週間前に放映された「美の巨人たち」では、滝めぐりの題名をつけた現地に、北際が出向いたわけでもないとのことです。そして現実のその場の風景を描いたわけでもない。これは、なんなのだろうか?

 100以上もある絵を眺めてわかるのは、北斎の絵の真の主題は、実は構図そのものなんですね。だから、風景に人の姿はあるが、人が主題ではありません。山や海が描かれていますが、風景を描いたものでははありません。実は構図そのものを描いたものなのです。もちろんつまんないと言っているわけではなく、今まで世の中になかった視点や絵の構図を作り出したこと、すごいことだと思います。国内より、むしろ今まで「神の世」しか描いたことのない西洋の画家たちに、より強い影響を与えたのは当然でしょう。

 ただ、北斎春画美人画のたぐいはみたことがなく、この展示会にもありませんでしたが、存在するものなのでしょうか。私はみたことはありませんが、どうなのだろう。あまり色気を感じる絵ではないのだろうなとも思ったものです。