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いまさら、はじめて聴くジョニミッチェル

逃避行


 朝のFMラジオ。ピーターヴァラカンさんの、「ウィークエンドサンシャイン」という番組でたまたま流された、BLACK CROWという曲を良いなと思い。そこから、ジョニミッチェルのいくつかの曲を、YOUTUBEで見たり、彼女の旧譜を買い求めたりして聞くようになりました。彼女のアルバムには、ジャズミュージシャンたち、ジャコパストリアスやハービーハンコック、ウエインショーターなどビッグネームたちが参加したものが多く、今のいままでほとんど聞かなかったのかなぜかはよくわからないのですが・・・
 とりあえずも、いくつかの曲を聴くと、彼女の曲に出てくる「狼」というモチーフが多いことに気が付きます。曲名にも含まれるし歌詞にも含まれたものがあり、ウィキペディアなどを見ると、彼女の出自はカナダの中西部の州だとのこと。彼女の心底にある原風景の中に、おそらくは森とその中を駆ける狼たちが居すわっているのだろうと思います。カナダの大陸中部といえば、わたし自身は子供のころに読んだ「シートン動物記」のことが連想されます。動物記の作品には、「狼王ロボ」とか「ウイニペグの狼」とか、狼を主題にした話が多く載せられるのを思い出します。ウイニペグというのはカナダ中部の街のことで、ジョニの出生地とは異なりますが、イメージが重なるのです。まあ、田んぼと工場住宅の入り混じったなんの変哲もない郊外の風景が広がる、私の心の原風景とはだいぶ異なりますね。
 さて、ジャコパストリアス。この出たがりの「天才」と評されるベーシストは、もちろんウェザーリポートの演奏で知っていますし、アルバムを買ったこともあります。大学の音楽サークルでジャコに心酔していた先輩が居たことを思い出されますが、彼の演奏を本当に心底から素晴らしいと思ったことは、あまりなくて、コロコロと転がすテクニックのすごさには参っても、目立ちたがりやのジャコのライブ映像をあまり良いとは思えなかったのです。
 けれど、ジョニと一緒に演奏するジャコパストリアスの演奏は、ほんとうに素晴らしいです。ジョニの歌に絡みつくような彼のベースは、あいかわらず彼の出たがりなところが現れているようますし、その出たがり感が好みでない評者はジョニのアルバムに対しても、アマゾンレビューが低い評価のようですね。

 でもジョニの歌に絡むジャコのベースは歌伴というよりも、ジャズメン同士が演奏しあうような感じで私にとっては素晴らしいものです。前にでるでるジャコのベースと、主役は自分だよと、歌うジョニとのせめぎ合いはスリリングだと思います。その魅力はジャズのものだと思うのです。

 なお、現在の彼女は難病を患い、相当に重症のようです。もう表舞台で歌うことがないでしょうが、穏やかな余生を過ごしてほしいと思います。