原武史「昭和天皇」を読んで

原武史さんの昭和天皇を読んでいます原武さんといえば鉄道ネタのエッセイのイメージが強いのですが、政治学の教授なのでこっちの方が本職ですね。一般人にとって、天皇家といえばあの皇室アルバムの清らかなイメージが強いですが、天皇本人の人間臭いところ、高松宮秩父宮兄弟間の微妙な感情のもつれ、とりわけ母親である皇太后との確執が、歴史の重要な局面、226事件での激昂ぶり、終戦工作への心理的な影響したのではないかという視点が面白く読めました。

昭和天皇も現在の天皇も、憲法は守ると明言しながら公式儀礼には非常に熱心とのことです。天皇家のしきたりや伝統の理念を消化した上でのあり方。なんか部外者には矛盾も感じますが、まあそういうものなのだろうと思いました。