2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

廃仏棄釈の恐怖(安丸良夫「神々の明治維新」岩波新書)

国家神道が太平洋戦争の敗戦とGHQの処分によって、戦後になくなったわけではなく現代も生きている。しかも現代ではその存在が見えなくなっている。という島園進さんの問題系について、以前の記事で述べました。毎日のように、政治どころか芸能ネタまでも…

ブラジルの大西洋岸を感じさせる音楽(エグベルトジスモンチの音楽について)

昨日、練馬文化会館で行われた、エグベルトジスモンチのコンサートに行ってきました。その興奮に任せて書いていますのでご了解ください。 本当はこのコンサートは、ナナヴァスコンセロスとのデュオとなるはずでしたが、ナナが亡くなってしまい、急遽、ジスモ…

シティポップの盛衰(ピチカートファイブの「闘い」について)

Youtubeで検索すれば、有名無名なさまざまな歌手の曲をなつかしく聴くことができます。一部分のフレーズだけを覚えていた聴いたことがある曲と偶然に出会うのはけっこう楽しいものです。私にとっては、70ー80年代に業界のある部分を占めていた「シティポ…

人間が真ん中でない(来迎図と地獄絵の世界観)

伴大納言絵巻の他にも、出光美術館の50周年の記念展示は力が入っていて、興味深い数々の絵巻物や屏風絵などが展示されています。時代別に3期にわかれた展示のうち、第1期である今回の展示は、だいたい鎌倉~南北朝までの作品が展示されています。たとえ…

「伴大納言絵巻」から読み取る

出光美術館は、中世に描かれた絵巻物や屏風絵、いわゆるやまと絵が多く展示されること多くて、好きな美術館のうちのひとつです。公立の美術館の多くが、採算ベースに載るように集客に力を入れるばかりに、ゆったりと展示を楽しめる環境でなくなっているけれ…

自由と平等を賭けた明治維新(中公新書「谷干城」)

今週になり「パナマ文書」と称する書類の内容が暴露され、国際的なニュースとなっています。そこには、ペーパーカンパニーを多数こしらえて「節税」に励む世界的な有名企業の姿が露わになっていて、その中に日本企業も含まれています。企業だけではなく、ロ…

国体教と排除の論理

東西のいろいろな文化を取り込みつつ自分たちのものにつくりかえてきたことが日本文化の特質だと、よく言われますが、ではそういう社会が敷居の低いオープンな社会ではなく、なぜに閉鎖的な社会なのはどういうことなのかと思います。無宗教とされてきた列島…