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戸井十月さん「ユーラシア大陸横断行」を見て

 最近、ほとんどテレビはみないのですが、ひとつだけ、心にのこった番組は、作家の戸井十月さんがユーラシア大陸をバイクで横断するというBSの番組でした。
ほんとうに地べたをはうように旅を進めていく戸井さんが私にはとてもかっこいいなと感じました。ともかくモンゴル平原、シベリアのなんて広いこと!をテレビだというのに実感します。
 モンゴルの平原では、ウランバートルに向かう戸井さんは、道に迷います。途中の店
で道を聞けば、ウランバートルへの決まった一本道はなく、前の車が通った跡や、遠くまで続いている電柱を頼りにウランバートルに向かう。日本ではちょっと考えられないことですね。
別の回、中国では、シルクロードのまんなかを大型トラックがびゅんびゅん走り去る光景が写っていたり、数珠つなぎになりながら中国と中央アジアの各国の国境をわたる光景が番組に写っています。この番組では戸井十月さんが主役なのですが、ウラの主
役は「大型トラック」だともいえます。
 番組とは関係ないのですが、モンゴル付近で思い出されるのは、かつて日本軍がソ連と戦った、ノモンハンの地が近いことです。日本列島の山谷ありの風景に親しんだ兵士がこの途方もない平原の中でソ連と戦ったこと、決まった道などないモンゴルの平原に、日本の兵士は途方に暮れたのではないでしょうか?
 豊臣秀吉の時も、日中戦争の時も、いくら中国奥地まで攻めても、中国は絶対に降伏
などしませんでした。番組で映し出される、シルクロードを走る大型トラックの姿をみるにつけ、中国が降伏なんかしなかった理由が想像できるのです。日本と中国が紛争を起こして、日本が一方的に勝利することは絶対にないと断言できます。道を誤ってはいけないと思います。
 残念なことですが、戸井さんは最近亡くなられたとのこと。ご冥福をお祈りします。