箱根駅伝の選手名から、バブル経済の崩壊直後の世相を思い出した

 お正月は、えんえんと駅伝をテレビ中継していました。私も、箱根駅伝などテレビ中継を眺めつつ、テロップに写される選手名をみて、名前がとても気になったものです。 漢字は様々ですが、ユウキと読ませる名前や、「翔」の漢字をつけた名前が本当に多いなと感じました。今の大学生が生まれた年ですから、20年前くらいでしょうか、どんな名付けが多かったのかをみれば、翔太という名前が最も多かったようです。

 自分の身と周りの雰囲気を思い出せば、バブル経済が崩壊したことがわかっったのは後になってわかったこと。当時は、深刻なこととは考えていなかったから、ちょっと我慢すれば、また景気がよくなる。がんばろうなんて、考えかたが主流だったでしょう?「清貧の思想」なんて本がはやりましたし、新幹線のぞみ号なんて生まれたのがこのころだった。

 名付けの話に戻れば、それまでの時代にはやった名前は、「茂」であれば、草木が茂るさまを元気に成長する子供になぞらえたもの、「清」であれば、透き通ったきいれいな水を、正しい行いで悪事に手を染めることのないように願ってつけた名前でしょう。それにくらべればユウキとか「翔」のついた名前というのは、どこか自意識が強く「念」の強さを感じる名前ですね。ヒット曲も、それまでの、心象を外の風景になぞらえた歌詞ではなく、このあたりから「がんばれ願いはかなう」といういわゆる説教ソングのような歌詞が生まれてきたのはこのころでしょう。

 90年代の世相は、就職難からの引きこもりやら内向きに変わっていったのですが、原型は90年代初頭のバブル経済崩壊の直後の世相に表れていると思いました。